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2026.02.13

【2026年版】産業用太陽光発電とは?住宅用との違いから、自家消費・BCP活用の最新トレンドまで徹底解説

産業用太陽光発電という言葉を耳にする機会が増えていますが、住宅用との具体的な違いをご存じでしょうか。導入を検討しながらも、詳細を調査する余裕がなかった経営者や施設担当者も多いはずです。

かつて売電目的が中心だった産業用太陽光は、2026年現在、制度改正とエネルギー政策の転換を受けて役割が大きく変化しています。

電気料金の高騰や災害リスクへの備えとして、自家消費型やBCP(事業継続計画)に活用する企業が急増中です。本記事では住宅用との違いを明確にしつつ、最新の制度動向、導入メリット、活用事例まで分かりやすく解説します。

記事を読み進めていただくことで、自社のエネルギーコストとリスクが一気に可視化され、次に取るべきアクションが見えてきます。

そもそも「産業用太陽光発電」とは?住宅用との決定的な違い

そもそも「産業用太陽光発電」とは?住宅用との決定的な違い

産業用太陽光発電と聞くと、広大な土地に並ぶパネルを想像し、自社には無縁だと感じる方もいるでしょう。

産業用太陽光発電は、出力10kW以上の設備を指します。主に事業運営や投資を目的として、遊休地や工場の屋根に設置される大規模なシステムを総称したものです。

以下では、住宅用との違いをより詳しく見ていきましょう。

出力「10kW以上」が分岐点(定義の解説)

産業用太陽光発電とは、企業や事業者が自社の敷地、建物、遊休地などに設置する10kW以上の出力を持つ太陽光発電設備のことです。

この区分は固定価格買取制度(FIT・FIP)などの政策で定められており、単なるサイズの違いではなく、運用目的や経済性が大きく変わる分岐点となっています。

主な違いを以下にまとめました。

項目住宅用産業用
主目的家計の節約事業継続・コスト最適化
出力10kW未満10kW以上
停電時の活用限定的事業活動の維持が可能
投資回収家庭の電気代削減が中心電力削減+BCP+資産活用

出力10kW以上の産業用は、設置場所の選択肢が広がる点も大きな違いといえます。住宅用が主に屋根の上に限定されるのに対し、産業用では空き地や工場の屋上、さらには農地との併用(ソーラーシェアリング)まで対応できます。

加えて住宅用では停電時に使える電力量が限られる一方、産業用は規模が大きいため、工場の一部ラインやオフィスの最低限の機能を維持する電力を確保しやすい点が特徴です。

また産業用では全量売電型か余剰売電型を選択でき、蓄電池を併用すれば夜間電力も確保可能です。住宅用と比べてパネル効率が高く、メンテナンス契約が標準となっている点も見逃せません。

総じて、産業用は10kW以上の出力を基準とする大規模な仕組みです。売電方式や規模の面で住宅用とは一線を画し、事業の収益性と安定稼搬を最優先に設計されています。

設置場所の違い(住宅屋根 vs 工場屋根・野立て・ソーラーシェアリング)

住宅用太陽光発電の基本的な設置場所は、家庭の屋根です。これに対して産業用では、工場屋根や野立て、ソーラーシェアリングといった多様な選択肢が用意されています。

住宅用の場合、建物の構造や屋根の形状に制約されるため、パネルの向きや枚数を自由に決められません。

一方で産業用太陽光発電は、工場の屋根や遊休地など広いスペースに設置するため、発電効率を優先した設計が実現できます。広い屋根や土地を活用すれば、日射量を最大限に取り込むレイアウトを組むことが可能です。

工場や商業施設の屋根には、他の用途に使われていないスペースが多いため、太陽光パネルの設置に適した環境といえます。

売電期間と価格決定の仕組み(FIT/FIP制度の現状)

産業用の売電期間は20年と長期にわたり、現在は市場連動型のFIP制度が主流です。対する住宅用は期間が10年であり、固定価格での買取のFIT制度が中心となります。

FIP制度とは2022年度から導入された制度で、発電事業者が市場価格で電気を売却し、市場価格との差額(プレミアム)を国が補助として支払う仕組みを指します。

市場価格が高い時間帯に電気を売れば利益が増えることから、蓄電池を併設して「高い時に売る」といった高度な運用が行われています。

従来のFIT制度は、国が定めた単価で電力会社が一定期間買い取る仕組みを指します。価格が固定される安心感がある反面、市場の動きに応じた収益の上積みは望めません。

FITは価格が事前に固定されて分かりやすい反面、FIPは市場連動となるため価格変動が大きくなります。産業用ではこの違いが制度選択の重要な判断材料となっています。

かつての「投資型」から「自家消費型」へ。産業用太陽光のトレンド変化

工場や倉庫の屋根に太陽光パネルを設置し、発電した電力を全量売電することで投資回収を図るビジネスモデルが産業用太陽光発電の主流だった時代があります。

ところが固定価格買取制度(FIT)における買取価格の継続的な低下や、制度自体の見直しが進んだことで、従来型の投資スキームは成立しにくくなってきました。今、産業用太陽光発電は投資型から自家消費型へ大きく舵を切っています

売電価格の下落と電気代高騰によるパラダイムシフト

産業用太陽光発電では以前、発電した電力をすべて電力会社に売却する全量売電型のビジネスモデルが中心でした。この投資手法が見直されるようになった要因として、売電価格の段階的な引き下げと企業向け電気料金の値上がりという経済状況の変化が挙げられます。

さらに自然災害の増加や電力供給の不安定化を受けて、事業継続計画(BCP)における自家発電設備の位置づけが企業経営の中で重視されるようになったことも、自家消費型への移行を後押ししています。

資源エネルギー庁のデータによれば、産業用(10kW以上50kW未満)のFIT価格は年々下落し、2025年度には屋根設置で11.5円/kWh前後(※10kW以上50kW未満の入札外等)※1です。2026年度以降も、同様の水準で推移すると見込まれています。

一方企業向け電力単価は燃料価格の変動や制度負担の増加により上昇が続き、特に製造業や物流倉庫など電力使用量の多い業種では、電気代が経営を圧迫するケースが少なくありません。

売電収入に依存するモデルでは、低い買取価格の中で投資回収に時間がかかるリスクが高まっているといえるでしょう。

住宅用の小規模システムと比較して、産業用太陽光発電は発電規模が大きく、施設全体の電力需要を賄える自給能力を持つため、自家消費による経済効果とBCP強化の両面で導入メリットが極めて大きい設備だといえます。

※1:令和7年度以降(2025年度以降)の調達価格等について

全量売電と余剰売電(自家消費)の比較

産業用太陽光発電システムの導入を検討する際、現在の経済情勢や制度的な枠組みを踏まえれば、全量売電型よりも自家消費を中心に据え、余剰分のみを売電する設計のほうが総合的な経済メリットは大きくなります。

住宅用システムでも自家消費型が標準となりつつありますが、産業用では施設の電力消費規模そのものが大きいため、電気料金の削減額やBCPにおける価値は住宅用とは比較にならないほど大きなものとなります。

例を挙げると、年間発電量のうち70%を工場やオフィスビルの電力として自家消費し、余剰となる30%のみを電力会社に売電する運用モデルを採用したとしましょう。

電力会社からの購入電力量は大幅に削減され、その結果として電気料金の支出も相当額圧縮されることになります。

売電単価が低い条件下でも、購入電力の削減が企業収益に与える影響は大きいのです。電気料金の高騰や自然災害の頻発を背景に、売電依存からの脱却は事業防衛策の一つとして重要性を増しています。

産業用太陽光発電を導入するメリット・デメリット

産業用太陽光発電を導入するメリット・デメリット

産業用太陽光発電は、コスト削減と環境配慮を同時に叶える一方、初期投資や運用面の不安もあります。ここでは、そのメリットとデメリットを分かりやすく整理します。

メリット:大幅なCO2削減と電気代削減効果

産業用太陽光発電は、住宅用と比較して発電規模が大きく、CO₂削減と電気代削減の両面で企業に大きな利益をもたらす設備です。産業用太陽光発電は、化石燃料に依存せずに電力を生成するため、CO2排出量を大幅に削減できます。

日本政府は2050年のカーボンニュートラルを掲げており、取引先から再エネ導入状況を問われるケースが増えています。再生可能エネルギーへの対応が求められる中で、産業用太陽光発電は環境対応だけでなく、BCP(事業継続計画)の観点からも注目される存在となっています。

また産業用太陽光の魅力は、自家消費による電気代削減額が大きいことです。自社で発電した電力を使用することで、外部からの電力購入を減少させ、年間で数百万円の電気代を節約することが可能です。

日中の電力消費が多い事業所ほど自家消費率が高まり、削減効果は事業規模に応じてさらに拡大します。

メリット:災害時の非常用電源としての機能(BCP対策)

産業用太陽光発電を導入するメリットの一つは、災害や停電時に自社で電力を確保し、事業活動を停止せずに継続する力を持てることです。

住宅用太陽光も停電時に役立ちますが、企業が求めるレベルの電力供給には限界があります。住宅用の自立運転では使用できる電力量に制限があり、冷蔵庫やスマートフォンの充電など最低限の利用にとどまるケースが一般的です。

産業用太陽光発電では、設備構成次第で事業継続に必要な一定水準の電力を確保できる可能性があります。近年、地震や台風、豪雨による大規模停電が頻発し、事業停止は売上損失や信用低下を招きます。

産業用太陽光発電は停電時でも自社で電力を供給できるため、事業継続の観点から、有効な対策の一つといえます。さらに自社だけでなく、近隣住民にスマホの充電場所や灯りを提供することで、地域に根ざした企業としての社会的評価(ESG経営)を高められるでしょう。

産業用太陽光発電によるBCP対策は、災害大国日本で事業を営む企業にとって、もはや選択肢ではなく必須の経営判断となりつつあるといえるでしょう。

デメリット:設置スペースの確保とメンテナンス義務化

事業の屋根や土地を有効活用できる産業用太陽光発電ですが、設置費用が高額であること、スペース確保のハードルと法的に課せられたメンテナンス負担が、導入の足かせになるケースも少なくありません。

住宅用は一般的な一戸建て屋根で対応でき、メンテナンスも比較的軽めですが、産業用は大規模なシステムやフェンスが設置できるような広大な面積を必要とし、定期的な専門管理が欠かせません。

特に都市部では、土地の価格が高騰しているため、必要な面積を確保することが難しい場合があります。また2017年の改正以降、すべての産業用設備において保守点検と維持管理が法律で義務付けられています。

また、施設や投資としてFIT(固定価格買取制度)を活用する場合には、キュービクルやパワーコンディショナなど法令に基づいた定期的な点検・記録・報告の保守(O&M)が義務化されていることが多いです。利回り計算より経費削減効果を重視する今、これらの年間保守費が積み重なる負担を甘く見ると痛手です。

設置スペースやメンテナンスの課題をクリアするためには、事前の計画と準備が不可欠です。これらのデメリットを理解し、適切な対策を講じることで、産業用太陽光発電の導入が成功する可能性が高まります。

導入前に確認すべき「産業用」特有の注意点

導入前に確認すべき「産業用」特有の注意点

ここでは、住宅用とは違う産業用太陽光特有の注意点を見ていきましょう。

保安規程の届出と電気主任技術者の選任(50kW以上の高圧案件の場合)

産業用太陽光発電(出力50kW以上)を設置する場合、法律上は単なる発電設備ではなく、工場やビルと同じ「自家用電気工作物」として扱われます。

電気設備の保安を確保するためには、専門的な知識を持った技術者による定期的な点検や管理が不可欠です。例えば、工場や倉庫の屋根に100kW規模の産業用太陽光を設置するケースでは、運転開始前に保安規程を作成し、所轄の産業保安監督部へ届け出なければなりません。

そして原則として、設備の安全管理を担う電気主任技術者の選任、または外部委託による管理体制の構築が求められます。自社に資格者がいない企業は外部委託を選び、年間数十万円の委託費を覚悟する必要があります。

住宅用太陽光では電気主任技術者の選任は不要ですが、産業用では「安全管理のプロ」を確保することが安定稼働の前提になります。

廃棄費用の積立義務化について

産業用太陽光発電を導入する際には、廃棄費用の積立義務化を十分に理解し、適切な準備を行うことが不可欠です。住宅用太陽光発電の小規模設備とは異なり、この積立制度への対応が事業継続の必須条件となるため、導入計画の段階から資金計画に組み込んでおく必要があります。

産業用太陽光は、発電容量が大きく、設置場所も遊休地や事業用建物など多岐にわたります。その一方で、寿命を迎え、処分する時にパネルや架台を放置するケースが社会問題化してきました。

こうした背景から、国はFIT制度の見直しを行い、10kW以上の産業用太陽光(事業用)に対して廃棄費用の積立を義務化しました。

FIT価格に応じて売電額の一部(おおむね4〜6%相当)が控除され、kWh換算で約1〜2円程度が電力広域的運営推進機関に積立されます。収益計画に影響が出やすく、企業は初期投資と合わせて資金計画に反映させる必要があります。

産業用太陽光の活用事例

ここでは、代表的な産業用太陽光の活用事例を見ていきましょう。

工場の屋根で発電し、ライン稼働電力に充当するケース

工場の屋根に太陽光パネルを設置し、その電力を生産ラインに使用することは、中長期的な電気料金の削減と、企業の環境対応(RE100・ESG投資対応)を同時に進められる有効な方法です。

特に電力使用量が多い製造業では、再生可能エネルギーを安定的に活用できることが、持続可能な事業運営に大きく寄与します。多くの工場は朝から夕方にかけてラインが稼働し、電力使用量が最も多くなります。

太陽光発電のピークも同時間帯に重なるため、発電した電力を効率よくラインに供給できる点が大きな利点です。サプライチェーン全体でカーボンニュートラルが重視される現在、取引先が再エネ導入を条件とする事例が増えています。

自社工場の屋根で発電した再生可能電力を活用すれば、製品のカーボンフットプリント(CFP)削減と他社との差別化を同時に実現できます。

このように、工場の屋根で発電した太陽光電力を生産ラインに利用する取り組みは、コスト削減・環境対策・企業評価向上を同時にかなえる実践的な手法です。

まとめ

まとめ

産業用太陽光発電は、単なる利益を生む投資商品から、事業を守るインフラ設備へと進化しています。住宅用が主に家庭の電気代削減を目的とするのに対し、産業用は電力使用量が非常に多く、削減効果が特に大きい点が特徴です。

電気料金の高騰や災害リスクの増加を背景に、自家消費とBCP対策の両立を目的とする企業導入が急増しています。

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